ゼブラグリーンズの農地に宙炭を導入し栽培実証に成功

2023.01.19

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地球上における循環型農業の発展と宇宙農業の実現を目指す株式会社TOWING（本社：愛知県名古屋市、代表取締役：西田宏平、以下、TOWING）は、株式会社ゼブラグリーンズ（本社：兵庫県加古川市、代表取締役：柿坪俊彦、以下、ゼブラグリーンズ）の実証圃場の水田に、TOWING独自の高機能バイオ炭「宙炭」をすき込み、有機肥料を分解可能な農地に転換し、小松菜の栽培に成功しましたので、お知らせいたします。

概要

TOWINGは、バイオ炭に特定の微生物叢を担持し、有機肥料の利用効率向上等の機能付与する技術を活用し、農地への炭素固定と有機栽培に適した土づくりを両立する“高機能バイオ炭”の研究開発に取り組んでおります。今回、2022年10月20日に高機能バイオ炭「宙炭」をゼブラグリーンズに提供し、水田にすき込みました。これにより、水田を、有機肥料を分解可能な農地に転換し、小松菜、セルバチコ、ブロッコリーの栽培を開始しました。

（左：宙炭を散布した状態、右：宙炭をすき込んだ状態）

その後は、ゼブラグリーンズの通常の管理方法で栽培を進め、2022年12月5日に小松菜の収穫作業を行いました。

生産者からのコメント

ゼブラグリーンズ取締役の小畠さん

初期生育の良さ、葉色の濃さ、収穫時の収量の増加を実感しました。しまりやすい粘土質な土壌が栽培後半にもふかふかな土壌に変化しているように感じます。今後、ゼブラグリーンズは宙炭を活用して宙ベジの販売を開始し、サステイナブル農業を目指します。

TOWINGとは

TOWINGは、環境に配慮した人工土壌の技術「高機能ソイル技術（※1）」をベースにし、地球上における循環型農業の発展と宇宙農業の実現を目指す、名古屋大学発スタートアップです。

持続可能な農業実現のため、化学肥料から有機肥料中心の栽培転換、脱炭素に向けた農地への炭素貯留が世界中で求められています。TOWINGは、農地に対して有機肥料の分解に必要な硝化菌叢を効率的に定着でき、N2O分解・CO2固定菌叢の追加により高効率な炭素固定性能を実現可能な“高機能バイオ炭「宙炭（そらたん）」”の研究開発に取り組んでいます。

本研究事業により、従来のバイオ炭よりも炭素固定をより効率的に実現でき、かつ収量向上も同時に実現可能な、“高機能バイオ炭「宙炭（そらたん）」”の実現と普及につなげていきます。

（※1）高機能ソイル技術とは、植物の炭等のバイオ炭（多孔体）に微生物を付加し、有機質肥料を混ぜ合わせて適切な状態で管理してつくられた人工土壌の技術です。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発した技術とともに、バイオ炭の前処理、微生物培養等に係るTOWING独自の技術を融合し、実用化しました。

高機能ソイル技術には大きな特徴が３つあります。
1.　有機質肥料を高効率に無機養分へと変換できます。
2.　畑で良い土壌を作るためには通常3～5年くらいかかりますが、高機能ソイルはわずか約1カ月で良質な土壌となります。
3.　本来であれば廃棄・焼却される植物残渣の炭化物を高機能ソイルの材料とするため、炭素の固定や吸収効果も期待できます。